娯楽となかよく

いまお風呂上がり誰かにもらったジャージ下と中学のジャージ上を来て、通行人に個人情報の上半分を左胸で垂れ流しながら自販機を辿り、グレープミックス三ツ矢サイダーを購入し、帰ってきて、いま

この時間に甘いものを一品頂きたくなることがかなり増えた、スイーツタイムということか、お風呂上がりアイスがあったらいいですよねということであれば至極順当な考えなのだが私には計画性がないため風呂上がりのためにアイスを買っておくような未来予知ができない

とにかく娯楽である、隙間時間に何かひとつそういったものを差し込まないといられない、という症状がここ最近かなり出てきた、一般にこれがどの程度警戒すべきものなのかということをわたしは知らない

なぜ知らないかと言えば、つまりそこのところの経験がとっても浅いのである。わたしはわたしほど娯楽に疎い人間を他に知らない

趣味や嗜好品、食後のスイーツ、ゲームアプリ、作業用BGM、マッサージチェア、そういったものの存在意義について一ミリも思考することなく人生を生きてきたのである、もちろんそういったものはあってよいし、提供されれば喜んで受け取る、でもわざわざ自分で取りに行かないし、手元にあっても習慣付かない、スマートフォンにして最初に大量にダウンロードしてみたゲームアプリなどほとんど触らずに消してしまった、時間を潰せと言われたらGoogleマップでも見る

音楽をやる人間だけれど、娯楽としての音楽鑑賞や楽器演奏の有用性みたいなことを人前で喋ってくださいと言われたら、思ってもいないことを詐欺師のように並べ連ねるほかなくなってしまう、じゃあなんで音楽やってるんですか?と言われたら、はははそうっすね、なんででしょうね、と返しながらGoogleマップを見る

そんなわたくしも最近どうしてか、隙間時間に耐えられなくなってきてしまった、いや別にそこで娯楽などなくとも仕事とか制作とか整理とかすればいいのだ、いいのだが、そういったことはいつでもできるわけでない、体力の少ない状況で手をつけると返って悪化することが多々あるし、音量やスペースの問題もあるので夜間に手を付けられるものも限られる、ということで三ツ矢サイダーグレープミックスを飲むしかなくなるのか

のか、どうやって生きていたのだろう、かつての自分は。こういった隙間、発生していなかったのだろうか?

カラオケでも行きます?カラオケってどうやって入店したらいいんですか?

とにかく繰り返すがわたしは娯楽の経験値が低い、というか本人的には経験値というより適性が低いんだと思っているけど

かつての自分が時間をどうやって過ごしていたのかまるで思い出せないのだが、文字を書いていた痕跡はわずかながら発掘されたりもした。でもそれが全てではない、というか全体の1割に満たないと思う、いろいろと思い出そうとしてみても、どうにもパーツが足りない。何してたんだろう?

特にヒントを期待するわけではないけれども。ただかつての自分は、少なくとも娯楽のことを「娯楽」とは呼ばなかっただろうなとは思う。それは、いまでもできればそうしたいと思うのだけれども、そもそも呼ぶ娯楽とやら自体があんまり見つからない。長年それを呼んでないから見つける感覚すらなくなったのか?